ハイブリッドMK・レビュー
サムソノル、ヨルジッチなどのトップ選手とともに行ったハイブリッドK3の研究が、ハイブリッドMKのベースになっています。
集結された全ての知識と松平健太の個人的な要望の組み合わせが、この攻撃的ラバーに組み込まれています。
ハイブリッドMKは、健太がゲームで発揮する全ての技術に応えます。優れた回転量、抜群の球持ちと感覚、そして、相手に圧力をかけるための十分な威力を備えています。※ティバーHPより画像と説明文を引用
粘着ラバーの特性を兼ね備えたテンションラバー
ラバーの外観について
松平健太選手からハイブリッドmkは粘着ラバーではないことが公言されてはいるんですけど、ぱっと見粘着ラバーにしか思えないんですよね~。
ラバーに息を吹きかけて伸ばした時のシートの濡れ方とか、もろ粘着のそれです。
このラバーのことを知らない人に見せても、「これ粘着ラバーなの?」って聞かれましたし。
エボリューションシリーズが「微粘着ラバー」なら、ハイブリッドmkは「粘着ラバー」にカテゴライズしてしまっていいと思いますね。
シートの形状はハイブリッドK3に酷似しており、厚めのベースに低めの粒を合わせた回転重視のものですが、全体としてはラザンターc系やV20ダブルエキストラのようにやや薄めのトップシートではないかと思います。
それらのラバーと比較するとハイブリッドmkはシートに瑞々しさ(粘着?)があり、ボールをよく掴んでくれそう。
そして、このラバーは松平健太さん曰く「従来のドイツラバーよりラバー表面が摩耗しづらい」ということです。
最近のドイツラバーは高価なものが多いですが、それと同時に耐久性に優れたものも少なくありません。
ブルーストームプロやV22ダブルエキストラ、ジキル&ハイドV47.5なんかはミドルエンドのラバー(ヴェガやヘキサー)と比べてシートが摩耗しづらく、耐久性に優れていました。
ハイブリッドmkも、耐久性については松平健太さんお墨付きです。
実売で6,000円オーバーのラバーばかりなので、すぐにダメになるようならクレームものですよ、ホント...。
スポンジはハイブリッドシリーズということでお馴染みのホワイトスポンジです。
気泡が細かくて詰まっている点はK3を彷彿とさせますが、K3のスポンジより若干気泡が荒いかもです。スポンジ表面の質感がK3よりふかふかしていると思いました。
スポンジ硬度は48度と硬めで、指で押し込んでみてもその通りの硬さという印象でした。
上述したように、外観は粘着のないハイブリッドK3そのもので、シートとスポンジの質感からしてボールの掴みや球持ちに特化していることが伺えます。
試打とゲーム練で使った感想
打球感、軽打
第一印象は「弾まない...」でした。
フォアの乱打でフラット気味に軽く打ったのですが、予想していたよりも弾みが弱く、ネットミスしてしまいました。
打球感があまりテンションラバーっぽくなく、粘着テンション味を感じさせる「ベシャっ」とした感覚です。
かと言って、粘着テンションによくあるフラットに当てただけで上に飛んでいくこともない...。
第一世代スピンテンションの、例えば「ラクザ7のシートに微粘着をつけた」そんな打球感と弾まなさ具合。
「いや、それラクザzだろ」と思われるかもしれないですが、ラクザzともまた違うんですよねぇ...。不思議。
謳い文句である「スポンジで打つ感覚=テナジーの打球感」に期待している人はがっかりするかもしれません。
そもそもシートの形状がテナジーより回転系なので、同じ打球感は望むべくもないのですが。
ドライブ系技術
続いて対上回転のフォアドライブですが、これは打ち方によって結構ボールの質が変わりましたね。
フラット気味に食い込ませて打つと、かなり直線的に飛んであまり飛距離も出ないのですが、面を被せてボールの上を取るようにして打つと、飛距離とスピードが出てくれました。
純粋な擦り打ち、シートのみを利用して回転をかけた場合、弧線は高めですが飛距離がイマイチ出てくれません。
飛距離を出すためには、擦りながらもスポンジにしっかり食い込ませてあげる必要がありました。
ゲーム練習では中後陣からぶつけ気味に打ったらネットミス、台上フォアドライブで被せ気味に叩き込もうとしたボールをオーバーミスするといった具合でしたので、今時のドイツラバー使用者は普段と打ち方を変える必要があると思いました。
対下回転のフォアドライブについては、回転をかけても飛距離が抑えられるので、簡単に対下回転の浅くて低いループドライブが打てました。
上に飛ぶ感覚が強いので、ループドライブと言いながらもやや前方向にラケットを振ってあげるといいでしょう。
回転量も豊富なため、ループドライブ単体で得点を狙いに行けますし、回転をかけようとしなければ全然かからないので、ループとナックルループの回転量の幅も大きいです。
スピードドライブは面を被せて打ってもオーバーするくらい上に上がりますが、その分ややスピード感に欠けますし、威力は必要十分と言った感じで特筆して重いボールが出ると言う訳ではありませんでした。
質の高いループドライブと打ち易いスピードドライブ、両方を使い分けて相手の待を外すような使い方が理想ですね。
ハイブリッドK3と比較すると、K3はしっかり振れた時は良かったのですが、振れない時はラバーの硬さをモロに感じてネットミスすることが多かったです。
その点ハイブリッドmkはスイングが遅くても持ち上がってくれて安心できますし、私の技量ではK3よりも回転がかけられているようでした。
特に、対下回転のループドライブはmkの方が好感触。と言うか、k3は打点が落ちたら対上も対下も本当に厳しかったですねw
ミート系技術
そしてミート系なんですけど、普通かちょっとやりづらいくらいじゃないですかね(テキトー)
ちゃんと真っ直ぐ飛んでくれるので、変なオーバーミスが出づらいのはGOOD。
乱打の感触から想像していたよりは大分やり易かったのですが、自分が複雑な回転のサーブを出して、相手の浮いたレシーブをフリックで「バチっ」とやるのはそんなに良くなかったんですよねぇ。
回転の影響はそんなに食らわないですが、イマイチ弾ききれない感触でした。
かと言って、明らかに難しいと言うわけじゃないから性質が悪いw
「ボールを持つこと」にかなり寄っているので、ミートを多用するプレースタイルの方がわざわざ選ぶようなラバーでないことは確かですが…。
正直、ミートに関しては合わせるラケット次第かなと(私はソリッドプロに合わせました)。
ブロック、カウンター
飛ばない、回転の影響くらわない、兎に角それに尽きます。
普段使っているジキル&ハイドやブルーストームプロと比べて飛ばなさすぎて、ブロックはネットミスが増えてしまい、
全部カウンターを狙いに行くくらいでちょうどよい弾みに感じました。
強い回転に対して滑ることや、回転を喰らいすぎることもないため、カウンタードライブは非常に安定しますし、台についてからの伸びも粘着ラバー並みでした。
サーブ、レシーブ、台上
何となく予想はついていると思いますが、ツッツキやストップと言った下回転系の台上技術は抜群にやり易いですし、質も高いです。
回転の影響が粘着ラバーより少なく、テンションラバーより明らかに弾まないと言う感じで、やり易さだけで言えばライトテンションのラバー並み。
そして、質は粘着並み。
ショートサーブは短く切って出し易い割にはロングサーブは速く深く出し易いです。
シートで薄くとりに行きすぎると、思った程ボールが飛ばずにネットミスになり易かったので、ちょっと食い込ませながら回転をかけてあげると良いと思います。
試打を終えて
天才マツケンがプロデュースしたラバーなので、かなり尖った性能になるのかと思いきや、岸川聖也さん監修のv20ダブルエキストラに似て使いやすいラバーでした。
そして、こちらの方がもっと使い易く、台の近くのプレーに強みがありますね。
寧ろ、ヘキサーパワーグリップやヴェンタスエキストラと言ったミドルエンドラバーよりも安定感があるかも?
サーブ、レシーブ、台上そして対下回転のドライブがやり易くて質が高いため、試合で勝ち易いラバーになっていると思います。
今回はソリッドプロとゼクスギアインで試打したのですが、安定はするものの、威力や飛距離は少し物足りないと感じました。
やはり、松平健太さんのようにアウターのラケットに貼った方が威力と安定感のバランスが良さそうです。(アウターラケットは全て売っ払ったので検証不可)
アウターのラケットにハイブリッドmkを貼ったら、テナジーの感覚になるんでしょうかね?
検証した方がいたら教えて下さいw
このラバーがハイブリッドMKの上位互換な気がする...