卓球&雑記from駿河

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クラシックオフェンシブ雑感レビュー

 

このラケットのことを知ったのは去年の秋のことでした。

ツイッターのフォロワーさんが、欧州ドニックから発売された珍しい構成のラケットを取り寄せたという発信をしていたんですよね。

それがクラシックオフェンシブだった訳です。

何がどう珍しいかと言ったら、先ず6枚合板。そしてセンターファイバー

中々こんなラケットないでしょう!

まぁ、同時に発売されたクラシックオールラウンドとパワーオールラウンドの方がもっと珍しい合板構成をしているのですがw

 

曰く、「上板がヒノキのオフチャロフインナーフォースみたい」なラケットということでした。

ファイバーラケットなのに、弾みはオフチャロフと同等で打球感はもっと木材に近い...。

欲しい!そう思ってドニックジャパンさんに冬の発売があるかお問合せしました。

しかし残念なことに、結果は「冬の新商品の発売はありません」との回答でした。

そして2023年春ひっそりと発表されたドニック新商品の中にありました!クラシックオフェンシブ!

 

ブレードサイズは157*150、重量は85~90g...。

最近発売されているドニックのラケットは何かとブレードがデカかったので、レギュラーサイズなのはポイント高い!

最軽量の86gのものを購入しました。

 

 

合板構成は上板からスプルース、アユース、アユース、フラックスクロスファイバーの6枚合板。開封時点で上板の毛羽立ちが目立ったので、ラケットコートで剥がれ防止をしておきました。過去にエスプリというドニックの格安アウターラケットを購入しましたが、そのラケットも上板が毛羽だっていましたね...。

 

スプルースと言えば欧州のヒノキみたいなものと聞いたことがありました。

卓球人にとって、ヒノキは打球感が柔らかい素材のイメージなのかもしれませんが、私の中では硬い素材の印象しかありません。

昔、ヨーラのアルナoffと言う上板ヒノキのインナーラケットを買ったのですが、それがもう硬くて硬くて...。

その時扱いに苦戦した思い出があるので、少なからずヒノキを使ったラケットに苦手意識がありました。

 

しかしこのラケットはかなり打球感が柔らかいですね!

1枚の厚くて柔らかい板で打球しているような一体感のある打球感を基調に、インパクトを強くするにつれてフラックスクロスが打球の後押しをしてくれます。

フラックスクロスはファイバー系の素材ですが、打球感がかなり硬いです。

同社のリレヴァントに搭載されているセルトランカーボン(素材の特性はほぼCNF)に近い硬さがあるんじゃないかなぁと思いました。

 

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基本の打球感は厚くて柔らかい木材7枚合板のラケット、クリッパーウッド系が近いのかなぁ。いや、それ系よりは硬さは感じるか。

クリッパーウッドよりは硬くてスワットやダイナセブンよりは柔らかいってことでひとつ。なんにしても、軽打や回転系の打法の時は木材ラケットと相違いないです。

特徴的なのは強打時の「バキッ、ガチッ」と言う打球感で、これは木材ラケットでは感じることのできないものですね。

ブレードの中心に、カーボンのように金属質とは言わないものの、かなり硬い芯が一本通っていることがはっきりとわかります。

インナーカーボンと違って、強打で弾む、飛距離が出るというよりは、インパクトに対するエネルギー効率がすこぶる高いというイメージでしょうか。そのため、ボールは速くて威力があるのに、台にしっかりとおさまってくれる安心感がありました。

 

私が打つ分には、単純な球速はアウターALC相当はありますね。そこに、木材ラケット特有のボールの重さと伸びが加わるんで、決定力はめちゃくちゃ高い。

 

しかしながら、勝手に弾むラケットではないので、強打の威力は使用者に依存するところがあります。その代り、インパクトが強い人ならアウターALCのラケットよりスピードを出すことも可能なポテンシャルを感じます。

サーブレシーブ、ブロックや台上は木材ラケット同様のやり易さがあるため、小技でチャンスを作って一撃のドライブやスマッシュに結びつけ易いと思いました。

 

そう言えば、このラケットの性能について、私より前に購入している方々にリサーチをしていたんですよね。打球感はインナーラケットより木材に近いという意見で共通するものの、弾道についてはそうなりませんでした。それが気になって、自分で確かめてみたいと購入したわけですw

で、自分なりに結論が出せました。

このラケットが直線的に飛ぶのか、弧線を描いて飛ぶのか、私の意見はというと「どちらでもある」と思います()

 

私の打ち方では、台から近い位置では直線、離れた位置では弧線が目立ちました。

これは台との距離に応じた打ち方の変化と弾道が相関しているだけとも言えます。しかし、ボールの飛び方が同じラケットと思えないくらいに変わることから、「使用者の個性に応じて出力されるボールが大きく変化する」という特徴があるのではないかと思いました。

卓球王国別冊2022の解説によると、センターファイバーのラケットはしなりと剛性の両立を可能にした合板構成らしいので、そう言うことにしておいて下さい()

 

強打のエネルギー効率が極めて高い一方、ブロックの吸収性に優れる面もあるので、表ソフトや粒高ラバーとも相性が良さそうです。

 

 

インフレが続く各メーカーの素材ラケットの中では値段も手頃ですし、買って損はないラケットだと思いますよ。