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ゼクスギアインとアウター、打球感や弾みの差は?

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ゼクスギアアウト

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ゼクスギアイン

 

 

ゼクスギアのインナーとアウターの違い

アウターでも中芯がアユースのゼクスギアアウター

 

普通、アウターの特殊素材とインナーの特殊素材とではカーボンのポジションだけではなくて、使われている木材の種類が違っていることが多いです。

 

インナー系は上板がリンバで中芯がアユース、アウター系は上板がコトで中芯が桐が定番ですよね。

バタフライのインナーフォースALC(上板アユースだったかも)とビスカリア何かがその一例です。

 

インナーとアウターとで性能を差別化するためには必要なことだと思いますが、

使っている木材がインナーとアウターで違っていたら、カーボンポジションの違いによる性能差が分からない…。

一方ゼクスギアアウトとゼクスギアインはカーボンポジションの違いのみなので、カーボンがどの位置に挟まれるかでどんな性能の変化が出るのか一目瞭然です。

 

ゼクスギアアウトは中芯がアユースなのです。

有名どころでは、スティガのカーボネードシリーズも、中芯アユースのアウターですよね。カーボネードはスウェーデン製なので洋材を使うのは納得ですが、日本製のアウターで中芯がアユースのラケットは他にはないのではないでしょうか?

 

気になる試打の結果は...。

 

ゼクスギアアウト→擦り、当て擦り向き

ゼクスギアイン→食い込ませ打ち向き

今のところこんな感じです。

 

アウターの良いところ

 

個人的に、打球感はアウターの方が好みです。

 

インナーの打球感は木材の打球感にプラスして「ぐにっ」とした感覚がありますが、アウターにはそれがありません。

 

この打球感の違いが、インナーとアウターの得意分野の違いとなって現れていると思います。

対下回転でボールをラバーに喰わせてぐいっとやりたい時に、インナーはラケットまで食い込んで反発してしまうため、回転をかけきれない感覚がします。

 

反面アウターはラケットの表面でボールが吸い付いて、しなりを効かせて回転をかけられる感覚です。

その感覚でぶつけ打ちをすれば、ボールを持ちながら速いドライブを打てます。

 

加えてゼクスギアアウトは回転のかかったボールに対しての掛け返しの質と安定感が非常に高いです。この能力が買われてヴィクタス契約選手に使われているところも大きいと予想します。

 

ミートが走らないかも

 

ウィークポイントは、ミートでボールを走らせるためにはかなりインパクトを強くしないといけないことなのですが、一般的なアウターと比べてミートの威力を出すのが大変なだけで、ラケット全体で見れば可もなく不可もなしといったところだと思います。

 

インナーの良いところ

 

一方インナーがアウターより優れているのは対上回転、その中でも前中陣の速い展開でしょう。

インナーの方がラケットへの食い込みが良く、少ない力で反発力を出し易いですね。

弾みの高さに加えてラケットへの食い込みが良く、球持ちが長いのが特徴です。

ボールの飛び出しはやや上、そこから比較的に真っ直ぐ飛んでいきますので、打点が落ちた時は意識して弧線を作る必要があります。

インナーでも後陣からボールを飛ばすこと自体は容易なのですが、スピードが優位になりがちです。アウターに比べてボールのエグみがないかな...。

 

チョリドラがいまいちか

 

第一印象がとっつきやすい感じですが、オールになると「案外硬いラケットなんだなぁ」と思わされるミスがちらほら...。

アウターの方がしなりを効かせられる感覚があるため、硬いラバーを貼っても回転をかけて飛ばせばよかったのですが、インナーは食い込ませて飛ばすタイプのラケットのため、とっさの処理で硬いラバーのデメリットを感じやすかったですかね。

「ラバーが硬いけど、取り敢えずちょりってミス防ぐ」ということがやり辛いです。(やや硬めの7枚程度)

インナーはちょりの感覚や持ち上がり方がアウターにくらべて良くない、上がらないと感じました。

ラケットの強みを生かすためには、打点を落とさず上から押し込む展開を心掛けた方がよいでしょう。

 

ということで、結論。

ドライブ主体のオールラウンダー、ドライブに対するカウンター特化タイプはゼクスギアアウト、前中陣でミートとドライブを織り交ぜるタイプはゼクスギアインが適合します。

木材の種類、板厚が同じでカーボンポジションのみ変更した場合、単純な反発力に大きな差はなく、打ち方とプレースタイルの適正がわかれるということでしょうか?

 

頑張って性能の違いを検証ましたが、インナーにしてもアウターにしても、自分にはオーバースペックな部分が多いと感じた次第です。

両ハンドぶんぶんなんてできないですし、前中陣でミートもドライブも対下回転もこなしたいとなると、向いているのはファイバーラケットなんですよね...。

しかし、ゼクスギアファイバーは板厚がちと薄いからミートはイマイチ。

ゼクスギアファイバーの板厚6.0mmバージョンとか作ってくれないかな~、マジで。

 

そう言えば、

今回の試打はゼクスギアにブルーストームプロを貼ってのものでしたが、以前レビューを挙げた時と印象が結構違っていました。

ラケットが違えばラバーの感想も全く変わってくる...。だからラバーのレビューはラケットのレビューよりも難しいんですよね。

 

ラケットにしてもラバーにしても、もう少し検証したいところです。

 

追記。ゼクスギアインを使い込んでみて

器用貧乏、かな...。

 

これまでの所感はファーストインプレッション、ここからは使い込んでの感想になります。

 

まず、第一印象よりラケットに食い込む感覚が増したと思いました。

これによって、ボールを持つ感覚が以前より強くなり、飛び出し方向もやや上気味に上がったと感じました。

 

この感覚のお陰で体勢崩れた時でもラケットがオートマチックにボールを掴んでくれてミスが減りました。

 

対下回転の持ち上げ易さは木材五枚と同等以上だと思います。

持ち上げ易さに加えて五枚合板にはない弾みがあるので、オーバーミスに気を付ける必要がありました。

 

反面ボールの初速に欠けてしまい、当初に比べて回転も普通、スピードも普通といった具合で没個性的な球質になっていたと思います。

ドライブの軌道もキレイに揃いがちです。

 

受け手からすれば、最初はしっかり回転がかかっていて取り辛かったけど、慣れてしまえば初速と二速の差が少ない、つまりボールの伸びがイマイチで取り辛さはないと感じたようです。

 

素材の特性による安定感が以前より色濃く感じられましたが、回転やボールの軌道が揃ってしまったようです。

 

自分の意思をボールに伝えるためには、もっとインパクトを強くしなければならないと感じました。

それか、ボールの荒れるドイツラバーを合わせて相性補完をするべきですね。

 

対するゼクスギアアウトは良くも悪くも球質の下限値と上限値の幅が大きく、すごく回転のかかったボールが行ったかと思ったら、ナックルドライブで相手がネットミスしたりと球質に幅が作れます。

 

ゼクスギアアウトでも十分にボールを安定させることができると思うので、相手のやり辛さも考慮すると、ゼクスギアインは立ち位置が少し中途半端だと思いました。