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エボリューションFX-Dレビュー/テナジーFXではない

 

 

【威力をキープ。使いやすさを追求したFX-D】
EL-Dよりも柔らかめのスポンジを採用し、さらに扱いやすさを追求したのがFX-Dです。トップシートの強さをキープすることで、ボールの威力を失わずにコントロール性能を格段に高めました。スポンジ硬度以上に、威力を感じることが出来ます。

※ティバージャパンHPから説明文と画像を引用

 

 

テナジーではなくロゼナ!ロゼナを上回る高い反発力!

 

使いやすさのP、回転のS、威力のD

 

エボMXPはチップする

 

セルボール時代に発売されたエボリューションMXPは、高い回転力や弧線、球持ちの良さからテナジーに近いドイツラバーと評されることもありました。

 

※ティバージャパンHPから画像を引用

当時の環境でテナジーもエボリューションも打ったことがないのでその点には触れられませんが、現環境、プラスチックボール下での私の評価は「系統は同じだけど、性質的に似ていない」になります。

 

昨今のラバー性能の向上により、テナジーやエボリューションMXPはそこまで強烈な回転がかかるというよりは、回転の掛けやすさの割に回転の最大値が高いラバーだという印象です。

 

その為、ボールの材質変更後はより威力と回転の出せるハードスポンジバージョン、テナジー05ハードとエボリューションMXP50がそれぞれ発売されることになりました。

 

ラバーのキャラクターというか、系統は似ていると思うのですが、テナジーとエボリューションMXPの決定的な違いがあります。

それはチップの有無です。

 

エボリューションPはシートで擦ろうとしたときにボールを掴まず落ちる感覚があります。対してテナジー05は薄くとらえてもボールが落ちません。

 

この性質の差から、テナジーとエボリューションを似ているラバーと評価することに抵抗を覚えるのです。

 

ちなみにですが、

ティバーの赤ラバーは黒ラバーに比べてシートが柔らかいため、黒色を選べばチップ多少は抑えられます。

 

プラボール初期から評価が変わったS

 

ボールの材質が変更になった直後、各メーカーはこぞって回転性能に長けたラバーを発売しました。

 

回転性のに長けているといってもシートが分厚いため、使いこなすためには相当なパワーが要求されるものがほとんどでした。

 

ラクザX、V15エキストラ(性能的には回転重視ではないが、設計的には回転重視)、オメガ5DF、そしてエボリューションMXSなどが該当します。

 

※ティバージャパンHPから画像を引用

エボリューションMXSは、発売当時非常に回転がかかる一方でラバーが非常に硬く、スピード性能に難があるという評価でした。

 

性能的にも設計的にもテナジーとはかけ離れていたのですが、最近ではテナジーに近いラバーとしてエボリューションMXSが評価されることがあるようです。

 

この評価の遷移に関して、ボールの材質が当時より硬い=弾むものになったこと、ボールの硬さでラバーに自然と食い込んでくれるため、スピードが出し易くなったことが考えられます。

 

ボールの材質変更でテナジーの性能もセル時代から変化しました。

テナジーの発売当初は、「硬くて重い、回転がかかるがスピードが出ない、中国ラバーみたい」と言ったものでした。

 

現在のエボリューションMXSの立ち位置は、セル時代のテナジー05に近いものがあるのではないでしょうか?

 

弾み>回転?のD

 

そして、最新のエボリューションDシリーズ。

このラバー、使う人によって印象が違うみたいです。

 

※ティバージャパンHPから画像を引用

テナジーに近いと感じる人、ディグニクスに近いと感じる人とで別れる他、

回転がかかると感じる人、あまりかからないけどスピードはすごく出る、等々。

 

シートの柔らかさでいえば、DシリーズのシートはPシリーズのそれに近く、より引っ掛かりを強くした印象です。

 

ディグニクスと比較しても、シートの食い込み易さはエボリューションMXDの方が上です。

 

そして、スポンジ硬度がディグニクスより硬く、非常にスピード性能に優れています。

 

私の印象としては、テナジーよりはディグニクスに近い性能でスピード性能はディグニクス並みですが、回転はディグニクスには劣っていると思います。

 

非常に優れたスピード性能を持ったMXDのスポンジ硬度を柔らかくしたFXDの性能はいかに?

 

エボリューションFXDの性能について

 

打球感が非常に柔らかい

 

国際卓球さんにお問い合わせした時の回答は、エボリューションFXDはロゼナよりも全体硬度が硬くなっているということでしたが、

 

実際に打ってみるとロゼナと硬さは同じくらいではないかと思いました。

 

スポンジとシートの硬さが均一に感じられ、非常に一体感のある打球感だと思います。

 

MXDからスポンジ硬度が大幅に柔らかくなることで、シートの柔らかさがより鮮明になっていますね。

 

MXDはスポンジが硬いため、スポンジを支えに柔らかいシートでボールを捕まえてのチョリドラが可能でしたが、このFXDでは同じような打ち方をすることはさすがにできませんでした。

 

それこそ、ロゼナのようにラバー全体で回転をかける打ち方に向いていると思います。

 

弾みはあるが、回転はイマイチか...。

 

シートとスポンジの両方が柔らかいため、軽打で簡単にスピードを出すことができます。スピード性能ではロゼナを一段上回っています

 

飛び出し方向はロゼナに比べてやや低めで、かなりスピード感があります。

 

問題は、ロゼナと比較して上昇したスピード性能に対して、回転量はそこまで上昇していないことでしょう。

 

球質としては、スピード>回転という感じでボールの重さはイマイチになっています。

 

対上回転の展開では、ボールの飛び出しが速く、弧線も直線的なのでロゼナよりも性能は上ですが、対下回転に対するループドライブの安心感はロゼナに軍配が上がると思います。

 

食い込ませて打たなければならないのは両ラバー共通ですが、FXDの方が飛距離が出やすいです。

 

FXDは飛びに対して回転の乗りがロゼナよりも落ちるため、オーバーミスが増えてしまいます。

 

弾みの強さが不安になるところはありますが、対下回転の時は弧線を作りやすいのでネットミスをすることはありませんでした。

 

しっかりと食い込ませて打つことと、弾みに注意すれば、下回転打ちが楽にこなせるようになると思います。

 

あまり向いてはいませんが、ボールを薄く取った時でもロゼナよりボールを飛ばしてくれる感覚はあります。

 

台上技術に関してですが、ストップやツッツキは、FXDとロゼナ共に柔らかいラバーなので浮きやすいです。

 

チキータは若干ロゼナの方がボールを掴む感覚がありました。

 

テナジー05fxではない

 

総合的なエボリューションFXDのイメージは、

柔らかいテナジーと言うよりは、弾むロゼナと言う印象です。

 

食い込みの良いシートがウリのエボリューションDシリーズですが、そのシートの柔らかさが裏目に出ているところがチラホラ…。

 

もう少しシートの硬さがあれば色々な打ち方ができると思いました。

バックで使うにしても、赤ではなく黒色を使った方が良いかもしれません。

 

柔らかくてスピードが出るけど、シートの引っかかりも欲しい、ボールを落としたくないという方のニーズは満たせますが、

 

球持ちや回転性能ならクァンタムxプロソフトの方が上。ボールの重さもクァンタムの方が出るかも?

 

クァンタムXプロの45度が出たら、私はそちらの方が総合的に良いラバーになるのではないかと思いますw