世界卓球 覚醒の張本
張本選手の覚醒、水谷さん抜きで銅メダル獲得!
世界卓球日本男子チーム、銅メダル獲得おめでとうございます!
今回の銅メダル獲得は今まで取ってきたメダルとはまた違った意味を持ったものだと思います。
長年日本男子をけん引してきた水谷選手が引退した東京オリンピックから初の世界団体、水谷選手がいない中でのメダル獲得。
これをもって、ようやく世代交代が果たされたということなのです。
エース張本選手の活躍
中国選手に2点どり
やはり注目すべきは水谷選手からエースの座を継承した張本選手でしょう。
王楚欣と樊振東から2点どり...。
いや~、歴史的快挙ですね!
中国戦までの張本選手のパフォーマンスを見ていて、この結果は全く予想ができませんでした。
やはり、張本選手は挑戦者として相手に挑んでこそ本領発揮ですね。
この2試合だけ、プレーの質が異次元すぎるw
正直言って水谷選手のような、
「中国選手以外には絶対に負けない安心感」
は張本選手にはありません。
かと言って、張本選手が水谷選手のようになる必要も全くありません。
張本選手の強みは大一番での強さ。
初出場の東京オリンピック、ドイツ戦でフランチスカ選手とオフチャロフ選手を破ったプレー、そして今大会の対中国2点どりを見ればその勝負強さは際立っています。
対ヨーロッパ選手が課題か
反面、対戦経験の少ない相手との試合や、自分より威力のあるバックハンドを打つヨーロッパ選手(ヨルジッチ選手やピッチフォード選手など)を相手にしたときには脆さが見られます。
丹羽選手は世界卓球個人戦でコンスタントに勝ち上がることができますが、海外リーグでヨーロッパ選手の「躱し方」を身につけたからだと思います。
2017年世界卓球で当たったプツァル選手など、まともに打たせたら手がつけられませんw
しかし丹羽選手は相手の強みをきっちり封じて勝利していました。
張本選手これから海外リーグに挑戦するとのこと。
海外で経験を積んで、対ヨーロッパ選手にもしっかり耐性をつけていただきたいものです。
何故張本選手は中国に勝てたのか?
大前提として、中国選手に通用するサーブレシーブ力が張本選手にはありました。
特に王楚欽戦ではサーブで優位に立つ展開が多く、ゲームが進むにつれて王選手のレシーブを張本選手のバックへのチキータのみに限定させていました。
だからこそ8‐9でビハインドからのロングサーブが効いたわけですし。
チキータ祭り
一方、張本選手も王選手のサーブに対して最後はチキータで行くしかなくなっていたのですが、そこに至るまでにチキータレシーブ以外で試合を組み立てることができていました。
ここを取ったのマジでデカい…
張本選手は「最後はチキータで行こう」なのに対して、王選手は「もうチキータしかないけど、フォアにロングもある...」なので、10-10になったとしても張本選手が優位だったでしょう。
9-9で王選手が攻めミスをしていますが、今までより厳しいボールを打とうとしてのミスでした。張本選手は王選手の緩めのバックに対してフォアで上手く打てずにいましたが、厳しいボールを送ろうとした結果、張本選手にとって丁度いいボールになりました。
張本選手の鋭いフォアカウンターに対して更にリスクの高い、バックストレートのカウンターを狙ってのミス。
長期戦を嫌って、相手の嫌なことをする余裕が王選手にはなくなっていました。
王楚欽戦は、派手な打ち合いというよりはサーブレシーブからのメンタルゲームで王選手を上回った試合でした。
そして樊振東戦。
お互いに似たプレースタイル同士の真っ向勝負。
王楚欽選手は台からやや距離を取って癖のある回転球を打ってきたため、張本選手は終盤まで打ちあぐねていましたが、樊選手のボールに対してそこまでやり辛そうにはしていません。
バック対バックの展開は互角以上。
この試合では、張本選手のフォアハンドの返球力が勝負の鍵になりました。
3ゲーム目のあたりから樊選手のバックストレートのバックハンドに対して、張本選手がフォアハンドで上手く対応し始めます。
台から下がらず、バックハンドの連打とフォアハンドのコンパクトな掛け返し。
フォアとバックの役割が反転していますが、
これは馬龍選手が得意とする、前陣をキープしてバックの快帯とフォアハンドパワードライブのコンビネーションを彷彿とさせるものでした。
むしろ、打球頻度の多いバックハンドが強い張本選手の攻撃力は馬龍選手を上回っていたのではないでしょうか?そこに馬龍選手並みの守備力が加わりました。
樊選手がどこに打っても張本選手は確実に返球していしまいます。
フォアでしっかり返球
連続でフォアを狙ってミス
今迄決定打になっていたバックストレートへのボールが何本か帰ってくることで、樊選手へのプレッシャーが増大し、より厳しいボールを送ろうとしたことでミスの数も増えました。
張本選手のコンパクトなフォアハンドは回転がかかっていることもあればあまり回転のかかっていないナックル性の球質のこともあり、それが引き起こす偶発的なミスは樊選手のメンタルを削ったことでしょう。
どこに打てばいいか分からなくなった樊選手はバッククロスへのボールの質も低下します。その結果、張本選手のバックハンドに押し切られる形となりました。
試合中に自分のプレースタイルを次のステージに進めてしまったわけですから、正真正銘の化物ですねw
ほんと、日本で腐らせていちゃいかんですよ。