卓球&雑記from駿河

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暁炎・レビュー/ニッタク産ビスカリア?

 

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脱ビスカリア、ニッタクのラケットが新時代を築くか?

ニッタク春の新商品の中でも目玉はやはり、”彩シリーズ”の蒼天と暁炎でしょう。

蒼天はブレードサイズが158*152とレギュラーサイズより一回りでかく、ラケットの総重量を抑えたい私にはちと厳しいかなと思いまして、平均重量82g、ブレードサイズ157*150のアウターカーボンラケットの暁炎を購入しました。

ちなみに、アウターラケットめっちゃ苦手ですw

 

で、届いた個体はショップに入荷した最軽量のもので85g

あれ?平均重量82gじゃなかった?

 

パッと目に付くのは上板のコトでしょうか?

アウターラケットに頻繁に採用されている木材ですけど、今迄に目にしてきたものとは異なる佇いをしていました。

色が異様に白いんです...。

触った感じもしっとり滑らかな質感で、コト材らしい硬さを感じません(木材全体で見たらコトは柔らかい部類ですけど、卓球ラケットに使われるものとしては硬いよねってことで)

 

球突きをしてみても、ラケットの表面ではじく感覚は皆無。

上板、添え芯をすうっと通過し、硬い木材の芯にぶつかって反発するこの感覚はまさしく木材ラケット!

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ブレード側面を見ると間違いなく特殊素材が挟まってますが、主張が余りに大人しいため、前述した木材の打球感の方が勝っていますね。

 

その打球感を生み出す合板構成はどうなっているのか?

王道アウターラケットの構成と思わせておいて、暁炎は大きな特徴がありました。

というのも、中芯の桐がかなり分厚くなってるんですよ!

ゼクスギアアウト(板厚5.9mm)はアウターラケットの中でもかなり中芯が厚い部類なんですけど、暁炎は板厚が5.6mmでありながら中芯の厚さはゼクスギアと同等!

中芯を分厚くすれば当然弾みは大きくなるわけです。

普通のアウターラケットは、弾むカーボンをアウターに挟むことで反発力を確保して飛ばします。主役はカーボンという訳ですが、暁炎の主役はあくまで木材!

アウターにカーボンが配置されているけど、素材感はほとんどありません。中芯の占める割合が大きいことから、木材感覚で飛距離と威力を出そうという構成なのでしょう(私の妄想)


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ニッタクのカタログでファスタークg1とハモンドz2を推していたので、手持ちにあるファスタークg1と、「まぁ合うんじゃなかろうか」と言う感覚でグレイザーを貼りました

 

今回はワンコースで打つことなく実践投入してみての印象なんですけど、

ボールめちゃくちゃ持ちますね!そして上に飛びますね!

チョリの球持ちや弧線の出方が良いのはもちろんのこと、インパクトを強くぶち当ててもボールが上に上がってくれます。

ファーストインプレッションは、木材ラケットとアウターラケットのいいとこどりをしているなと思いました。

 

正直、フォアにファスタークを貼った時は弧線が強く出すぎてスゲー使いづらかったです。前陣ドライブのオーバーミスがやたらと増えましたw

グレイザーはファスタークほど弧線が出ないので、そっちをフォアに使ってちょうどいい感じでしたね。

 

打球感について。軽中打で木材より振動が抑えられているため、そのあたりはケブラーの性質が出ていると思いました。

いい風に解釈すれば、木材ラケットから雑味を抜いた、木材の打球感にノイズキャンセリングをかけた打球感と言えるんじゃないかなぁと()

それでも、アウターCNFラケットよりもフィーリングは木材に近いんじゃないかと思います。

 

インパクトを強くしていくと、球突きの時に感じた芯にぶち当たって、完全に木材ラケットの感覚で打球することが出来ます。

アウターラケットですが、ラケットの芯に喰いついて球持ちがよく、球持ちがよいのに「スコーン」と打ち抜けるようなスピードボールが飛び出します。

ボールを持つ分、生粋のアウターユーザーからは初速が遅いとか、ボールが弧を描きすぎるとかの不満が出てくるかもしれません。

 

こんな感じで軽打から強打まで、ほぼほぼ木材の感覚で打つことが出来る暁炎なんですけど、いいところばかりではありませんでした。

やっぱり、インパクトが弱くなるとボールが落ちる感覚があります。

私の場合、試合中でビビってバックハンドのインパクトが弱くなってのネットミスが多くなりました。

インパクトを強くすればボールがグイっと上に行く感覚がありますし、しっかりチョリドラをかけに行った時の感覚は木材ラケットそのものです。

問題はそのどちらもできなかった時です。フラット気味に弱インパクトすると、木材ラケットやインナーラケットよりも真っ直ぐ飛んじゃうみたいですね。

その特性からか、木材五枚に近い打球感なのにフリックやミートが思いのほかやり易いメリットもあるんですけどね~。

フォアはドライブを振りこなせるので、この性質は全く気になりませんでした。

 

それでも、バックにファスタークg1を貼った時はかなり安定しました。

毎回バックでインパクトを出す技量がなくても、シートのしっかりしたラバーでチョリチョリやってあげれば何とかなるようですw

バックハンドに不安があるのなら、最新のドイツラバーよりもちょっと前の球持ちとか弧線重視のタイプを採用してあげた方が良いいと思います。

最新ドイツラバーの中だったら、ハイブリッドmkとラザンターc48なんか相性が良さそう。

後はアウターラケットに鉄板のファスターク系とラクザ系でしょうかね、やっぱり。

 

構成的にはビスカリアもどきなのですが、中身は完全に別物でした。

キャッチフレーズは「掴みと飛距離」なのですが、木材の良さを引き立たせるために特殊素材を搭載したラケットと言う印象です。

個人的に、暁炎こそが真のアコースティックカーボンだと思いますw

普段アウターラケットを使っている人のみならず、木材好きで特殊素材が苦手な人にも試してもらいたい名品でした。