アルティウスインナー・レビュー
そう言えば、まだアルティウスインナーのレビュー書いてませんでしたね。
どっかで打ったことのある打球感だけど、意外と似たようなスペックのラケットって見つからなくないですか?
①第一印象はインナーALCより木材に近くて弾む
第一印象なんですけど、
ミズノのオンライン試打で村田さんがおっしゃっていたように、特殊素材というよりは木材の7枚に近い打球感だと思いました。
板厚は5.6mmと薄めなのですが、板厚6.5mmくらいのラケットで打球しているような芯の強さがありました。
板の薄いラケットはしなりが強く、ボールの飛び出しが上方向になるものが多いです。
しかしこのラケットは、板が薄いけど直線的なボールも出し易く、インナーのラケットの中では決定力がありました。
定番のインナーフォースレイヤーALCと比べても、こちらのラケットの方が木材の感覚に近く、かつ弾みも勝っている印象。
インナーラケットでありながら、球を持ちすぎません。掴みと弾きのバランスが良かったですね。
②使いこむうちに性能が変化
ファーストインプレッションは「板が薄いのにしならず弾むラケット」でした。
この印象なんですけど、使った次の日には
覆ることになりますw
あれ?なんだか弾まないなぁと。
その時はフォアにQクオリティー、バックにQ1を貼っていたんですけど、強く打ってもスピードが出ないどころか、ボールが落ちてしまいた。
前日と打ち方は全く変わらないのにボールが入りません…。
そこからどんどんラケットが柔らかくなっていったので、それに合わせてラバーも硬くしていくことで対応していました。
しかし、当初の直線弾道の出し易さは完全に失われてしまい、板厚通りの「弧線が出て回転のかけ易いラケット」へ性能が変化してしまいました。
しかしながら、これは性能の劣化ということではなく、適性のあるプレースタイルが変化したということだと考えています。
ラケットのしなりが大きくなったことで、球持ちが良くなり(初速が遅くなり)ボールが上方向に飛ぶようになりました。
それによって前陣での決定力は下がってしまいましたが、中陣や後陣などの打点が落ちたところからボールを飛ばすことが楽になりました。
引き合いでは高い弧線でコートの深くにボールが落ちるので、非常に取りづらい球質になります。
スウェーデン製の木材ラケット、オールラウンドエボリューションなんかと似たようなボールのボールの掴みと弧線が出ますが、こちらの方がボールは深く、大きなラリーで打ち負けないラケットの強さがあります。
球持ちと弧線を活かして、回転と軌道の変化で得点を稼ぐテクニカルなプレーヤーと相性が良さそう。
総合して、
前陣向けのインナーラケットから、中陣のラリータイプ向けのラケットに性能が変化したと言ったところでしょうか。
合わせるラバーも、硬めで真っ直ぐ飛ぶラバーを選んであげればバランスが取れると思います。
ファスタークg1のmaxとか、相性良さそうな気がします。
③まとめ
第一印象が良かったし、自分にしては長く使っていたラケットです。
でも、もう少し板厚があった方が絶対にいいと思うんですよね。
板厚5.8~6.0くらいにすれば、ミート、ドライブ何でもござれのハイバランスラケットになったと思うのですが...。
プラボール、特に抗菌ボールに板の薄いラケットは個人的に感触が良くないです。
板がしなりすぎてエネルギーがロスする感覚がありますね。
このラケットも板薄ラケットのウィークポイントが露呈しましたが、
その原因の一つはこのラケットの中芯が桐ということもあると思います。
インナーフォースレイヤーALCのように、中芯がアユースなら剛性も確保できそうですが、アルティウスシリーズは軽量を売りにしていますから、設計思想的にあり得ない素材の候補だったのでしょう。
当初の感覚はバウムエスプリインナーが弾むようになったラケットといった感じで、前陣プレーヤーに是非オススメしたいと思える性能だったんですよね…。
重量が83g以下のものがほとんどでグリップも太すぎず細すぎずで取り回しのし易さはアルティウスコンボを上回ります。
非常にクセのないグリップです。
惜しむべきは、使用期間中の著しい打球感と性能の変化ですね。
どのラケットでもこう言った変化はつきものなんですけど、いくらなんでも今回のアルティウスインナーを含め、アルティウスシリーズの性能変化の速さには驚かされました。
値段もそこまでリーズナブルではないですし、散々述べてきた継続使用による性能の変化もありますので、
それを理解した上で軽いラケットが欲しい方には勧めてもいいのかなと思います。
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